法令遵守は企業の鉄則!

 企業倫理を守ることと同時に法令遵守することが基本原則なのです。
企業にとって利益の追求は不可欠ですが、利益追求のみでは、企業の持続可能性を保持できません。
法令遵守(コンプライアンス)とは、企業活動する上での前提条件であり、義務です。法治国家では当たり前のことです。
だから法令違反をすると、企業は何らかの制裁を受けることになります。

【目次】

1 法令違反の制裁
2 法令違反の原因
3 法令遵守によるメリット
4 法令遵守の法令とは何か
5 法令遵守の体制整備の取り組み
5-1. やれるところからやる
5-2. 体制整備に向けての取り組み
5-3. 既存の社内制度や規定の活用
6 経営者の宣言とリーダーシップ
6-1. 経営者の宣言
6-2. 経営者のリーダーシップ
7 まとめ

【本文】

1 法令違反の制裁

 法令違反をしますと、どうなるでしょうかね。
企業は市場において評判が下がり、社会的に何らかの制裁を受けることになります。
具体的には、次のようなものがあります。法令違反の重要度、被害の大きさによって異なります。

・顧客や消費者からの買い控え、契約解除、取り引きの停止
・行政処分や行政罰
・損害賠償や差し止め
・刑罰
・人材を募集しても集まらない
法令違反による制裁は、一時的に終わらず後遺症として残ることもあります。

2 法令違反の原因

 法令違反の原因は、企業内に深く潜んでいます。
通常時では、原因を簡単に突き止めにくいことが多いようです。
その原因をいくつか例示します。

①自分がとった行動が違反していることに気づかない。
②違反している状態が当たり前になっている。
③法令違反に気づいても、上司等に報告、相談しにくい環境になっている。
④法令遵守の正しい知識が企業内に浸透していない。
⑤個人的な恨みや組織的に意図的に法令違反をする。
などが原因です。法令遵守することへの甘えがありますよね。

  具体的に例示します。

製品系  製造物責任に違反する行為
(欠陥製品の隠ぺい、産地の偽造、虚偽の表示など)
労務系  サービス残業、各種ハラスメント
会計系  不正経理、粉飾決済
情報系  個人情報や企業秘密情報の漏えい
取引系
営業秘密や相手方の機密情報の漏えい、不正な企業間取引、
有利な取引のための利益供与・利益相反、
重要な事実の公表前に行うインサイダー取引

 法令違反を食い止める制度が要ります。

3 法令遵守によるメリット

 法令遵守をすることによるメリットは大きいです。
社会的に企業に対する評価が良くなるからです。
メリットの例としては次のようなものがあります。

①法令遵守は、顧客・消費者、仕入先、株主、金融機関など企業関係者に対して安心感を与えますので、企業の価値が上がります。
②企業の価値が上がりますと、人材採用が有利になり、企業内のモラルも上がります。③従業員のモラルや仕事への取り組み意欲も向上します。

 法令遵守によるメリットは、企業に安定感をもたらします。

4 法令遵守の法令とは何か

 ここでいう法令は、国や地方行政で定めた法令だけではありません。
法令に準じるものとして総括的になってきています。

 守るべき法令を3つの規範に分類してみました。

①法令規範 企業に関係する法律、条令、法的な拘束力を持つ規則などです。
②社内規範 企業が定めた社内規定(就業規則など)、業務マニュアルなど
③倫理規範 職務上、遵守すべき企業倫理、人として守るべき社会的倫理(生活上の社会的な規律、人の身心や金銭的に影響を与えないこと)など

 いつの間にか、企業倫理が法令遵守の対象範囲に含まれるようになってしまいました。

 これらの3つの規範は、当たり前のことばかりです。
なお、③倫理規範は、「企業倫理」で記述のとおりです。

5 法令遵守の体制整備の取り組み

5-1. やれるところからやる

 中小企業にとっては、人材不足、時間不足、資金不足などで、法令遵守の体制整備の取り組みが難しいかも知れません。
やれるところから進めることです。
前項の3つの規範で、最も違反しやすいものをから取り上げるのもいいでしょう。
あなたの企業として、やりやすい独自の考え方で進めることです。

5-2. 体制整備に向けての取り組み

 体制を整えるためには、責任者を決めることです。兼務でもいいです。
責任者は、企業の実状に応じて体制の骨子をまとめて、それに沿って進めていきます。
どのような順序で、いつまでに進めるかを明記するといいでしょう。

 骨子となるものとしては
①4項の3つの規範を調べます。
②既に規定している社内規定や企業倫理規定があれば、それを活用します。
③法令遵守の規定には、次のようなことを織り込みます。
・4項の3つの規範度との関連、違反しそうな留意点
・啓蒙・教育
・相談や苦情対応の窓口
・内部通報制度

 地道な仕事ですが、一つひとつきちんと整理しながら進めることが、早道となります。

 企業倫理の冒頭で図を使って説明しましたが、企業倫理、法令遵守、企業統治は基本原則なので、相互関連して規定類を整えることもいいです。

5-3. 既存の社内制度や規定の活用

 必要最小限の体制を明文化した法令遵守規定を作りことです。
既存の社内制度や規定があれば、それと連携して活用します。
例えば製造業で品質マネジメントシステムISO9001を取得しているとすれば、環境に関する廃棄物処理の仕方が未設定ならISO9001マニュアルに追加するか、別途作成するかになります。

 法令遵守の体制整備に取り組みますと、社内規定類を新たな視点で見ることになります。社内規定類の改善に繋がることもあります。

6 経営者の宣言とリーダーシップ

6-1. 経営者の宣言

 先ず、経営トップが法令遵守の宣言をすることです。
宣言は、企業の内外に行います。
宣言することは、企業の活動方針を宣言するのと同じです。
企業の活動に自制するという変化を起こってきます。

6-2. 経営者のリーダーシップ

 経営者は宣言したら、法令遵守の体制の整備と運用に関する責任者を指名します。
責任者に任せきりにせず、推進状況を把握し、支援することです。
経営者は、リーダーシップを発揮します。
いい企業風土を作り込むことができます。

7 まとめ

 法令遵守の制度は、法令違反を見つけるのではなく、自然に法令遵守する企業風土にし、社会的に認められるようになっていくことです。

 次に3つの基本原則の最後「企業統治」に行きましょう。

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