中小企業が株主・金融機関と信頼関係を築くには!

 普段から金融機関との付き合っていないと、いざという時にお金は借りられません。
金融機関の担当者と酒飲みの付き合いだけでは、相手はあなたの企業の内容が分かりませんよ。

【目次】

1 株主との信頼関係
1-1. 中小企業の株主の特徴
1-2. ホームページの情報
1-3. 株主とのコミュニケーション
1-4. 株主と経営権
2 金融機関から見た中小企業との信頼関係
2-1. 金融機関から見た中小企業との信頼関係を作る視点
2-2. 債券償還能力
2-3. 正確でタイムリーな情報提供
2-4. 適時適切な情報開示
3 企業から見た金融機関との付き合い方
3-1. 金融機関の種類
3-1-1. 政府系金融機関
3-1-2. 民間の金融機関
3-2. 複数の金融機関と取引
3-2-1. 与信限度枠など違い
3-2-2. メインバンクとメインバンク以外の違い
3-3. 金融機関からの提供される情報などの違い
4 まとめ

【本文】

1 株主との信頼関係

1-1. 中小企業の株主の特徴

 中小企業が設立する時の出資者である発起人(株主)は、信頼関係のある縁故者ばかりです。
この株主は、企業に一度出資しますと、株式を売買することはめったにありません。安定株主です。その企業からの事業報告や事業計画の報告、配当に関心がありますが、それほど期待していない面もあります。これは、規模が小さい企業ほど顕著です。

1-2. ホームページの情報

 ホームページを作ったが、運用ができていない中小企業が多いです。
いくつかの理由が挙げられます。

・ホームページを維持する手間やコストがかかる
・ホームページを作っても効果が分からない、評価できない
・ホームページに関するIT知識を持った人材がいない
・適切なアドバイしてくれる人がいない

 中小企業の中にはB2B取引の企業がいます。こういう企業は、顧客や仕入先は長年変わらないので、ホームページを変更する必要がないと言えるかも知れません。
企業活動では日々変化が起きています。ホームページに載せたいものもあると思います。

 他に重要な関係者がいます。株主・金融機関などです。株主・金融機関などは、あなたの企業のホームページを見ているかも知れません。株主・金融機関などにも何らかの情報を伝える方法としてホームページの活用もあるのではないでしょうか?

1-3. 株主とのコミュニケーション

 株主が出資してくれた信頼を裏切らずに、いい関係を築くにはコミュニケーションが欠かせません。企業が株主に一方的に情報を送るのもいいですが、株主との交流する場が必要となります。
一般的には、定時株主総会での事業説明・決算報告や事業報告です。終わってからの懇親会も大切なコミュニケーションの場となります。 株主にとっては、企業に出資したことへの満足ばかりでなく、金銭的な楽しみ、すなわち配当もあります。
株主とのコミュニケーションは、株主からの信頼関係を得る最大の方法です。

1-4. 株主と経営権

 企業の経営権とは、社長個人が発行済みの株式の割合を3分の2以上所有して、安定することなのです。何故かと言いますと、万が一にも取締役会で社長を解任されたらとか、株主総会で取締役を解任させられたとしたらという不安が、社長にあります。

 社長は、金融機関から個人保証してもお金を借り入れています。借金です。社長を解任されたら、借金だけが残り、不安ですよね。

 中小企業の社長として安心するには、経営権を確保するには発行済みの株式の3分の2以上の株式を保有する必要があります。
当然ですが、社長としては、業績を伸ばし企業価値を上げる重要な責務があります。

2 金融機関から見た中小企業との信頼関係

2-1. 金融機関から見た中小企業との信頼関係を作る視点

 金融機関は、企業にお金を貸して、それを回収すること事業としています。
貸し付けたお金がきちんと返済してもらわなければなりません。

 そのため、企業にいくつかの要求とか期待があります。
①債券償還能力
②正確でタイムリーな情報提供
③適時適切な情報開示
④経営者の経営意欲・経営姿勢
です。

 なるほど。納得できますようね。これらの4つを次に順次説明します。

2-2. 債券償還能力

 金融機関は企業に既に貸付金があれば、その企業からきちんと返済されているかです。
金融機関が企業を信頼する手始めとなります。
これが出来ていなければ、金融機関はお金を貸すことを渋りますよね。
金融機関はそうなった理由を把握し、納得出来れば、それを含めて支援することもあるでしょう。

 金融機関は、その企業に貸し付ける金額の与信限度額があります。
金融機関はこの与信限度額を超えて貸し付けすることが出来ません。
いたしかたないことです。あきらめるしかありません。

 企業には「債務償還能力」というモノがあります。企業が借入金をきちんと返済できる根拠なるものです。これは、企業が設備投資などコストを除いて、本業で稼いだお金の流れ(フリーキャッシュフロー)が借入金の返済金額を上回っていることを、実績と計画で示せるかどうかです。

 そこには、「定性的なモノ」も重視されます。本業がうまくいっている証拠になるからです。例えば、地域や業界の評判、技術力、マーケティング力、企業会計原則に基づいた会計処理などがあります。

 逆に、その企業が返済に滞っているなら、信用格付けが落ちて、貸し付けができなくなることもあります。

2-3. 正確でタイムリーな情報提供

 金融機関は、貸付先の企業に対して本業の業況を確認するために、試算表、決算書、資金繰り表などの計算書類などを適正な頻度で、早く正確に提出することを望んでいます。
どんなに決算書がきちんとできていても、貸付先の企業の経営が悪化するようであれば、金融機関は手を引きます。
金融機関も経営の透明性が求められているので、企業の信用格付けに応じた対応を取ります。そうしなければ、金融機関が、特別背任罪や株主代表訴訟で訴えられるリスクがあるからです。

 格付けが下がると企業への貸倒引当金を積まねばなりませんので、金融機関の負担が増えます。

2-4. 適時適切な情報開示

 企業としては、年1回の決算書類を金融機関に送るだけでは、金融機関との信頼関係が乏しいです。
IT技術を活用して日々の会計処理を行っている企業も多くなりました。必然的に試算表の作成も月初に近づいています。
ですから、企業はインターネット通信で、試算表を金融機関に送信することもできます。情報開示です。
この試算表が適切であるならば、金融機関もその分早めに手を打つことができます。

 企業への新規融資について、金融機関は相談にのってくれるでしょう。
その時は、企業の強みも弱みなどを含めた定性情報も開示が必要となります。

2-5. 経営者の経営意欲・経営姿勢

 企業を経営するのは経営者です。
金融機関としては、経営者本人の経営意欲や経営姿勢が一番大事です。
それは、経営者の経営に対する意志の強弱で、金融機関は判断されるようです。

3 企業から見た金融機関との付き合い方

3-1. 金融機関の種類

 金融機関には、政府系と民間系があります。
政府系は、日本政策金融公庫、商工組合中央公庫です。
民間系は、保証協会、都市銀行、地方銀行・第二地方銀行、信用金庫・信用組合です。

 企業が民間の金融機関との信頼関係が深まりますと、保証協会の保証が付かなくても金融機関から貸し付け(プロパー融資)してくれるようになります。

3-1-1. 政府系金融機関

 日本政策金融公庫は、個人に個人融資、中小企業・農林漁業に事業資金融資を行っています。
商工組合中央公庫は、中小企業団体とその構成員に事業資金融資を行っています。

3-1-2. 民間の金融機関

 都市銀行は、政令指定都市など都市部にのみ本支店をおいている大規模銀行(メガバンク)です。
地方銀行・第二地方銀行は、地方の企業や住民のための銀行で、設立当初から「地方銀行」が第1地方銀行、かつての「相互銀行」が第2地方銀行です。
信用金庫は、地方銀行より営業エリアが狭く、県内限定されている金融機関で、会員出資による協同組合です。
信用組合は、信用金庫より営業エリアが狭く、県内の一部に限定されいる金融機関で、組合員出資による協同組合です。

3-2. 複数の金融機関と取引

 中小企業は、メインバンクとメインバンク以外の金融機関の取引をしています。

 3-2-1. 与信限度枠など違い

 金融機関とその部署ごとに貸し出しの判断基準が異なります。ある金融機関で貸し出しを断られても、他の金融機関で貸してくれることがあります。
その違いは、信限度額、審査基準、経営者との付き合い方があります。
その上、金融機関同士も競争していますので、金融機関との取引の機会となります。

3-2-2. メインバンクとメインバンク以外の違い

 中小企業は、成長の過程でメインバンクを変えることもあります。

 中小企業は、メインバンクに長期にわたって安定的な資金供給を求めています。その他に、事業内容の理解、経営アドバイスといったコンサルティング的な役割もあります。

 中小企業は、メインバンク以外の金融機関に低い借入金利、柔軟な担保・保証条件などを求めることが増えています。

 中小企業は、事業のライフサイクルで、メインバンクではない取引金融機関として政府系金融機関を選択した時期もあります。

3-3. 金融機関からの提供される情報などの違い

 借入金額の大きさは、都市銀行、地方銀行・第二地方銀行、信用金庫・信用組合の順となります。
地域密着度は、逆に信用金庫・信用組合、地方銀行・第二地方銀行、都市銀行の順です。

 地域情勢は、地方銀行・第二地方銀行、信用金庫・信用組合の順となります。
地域以外の国内情勢・金融情勢は、都市銀行、政府系金融機関です。
国際情勢は、都市銀行です。

 業界動向情報は、都市銀行、地方銀行・第二地方銀行、信用金庫・信用組合の順となります。

 公的施策の情報は、政府系金融機関です。

 このように、金融機関の業態によって、担当する地域や業種等が異なるため、それぞれの金融機関が得意とする情報提供がなされています。
このため、企業が金融機関から情報を収集するなら、その情報を得意とする金融機関から収集することが有効です。

4 まとめ

 株主、金融機関に適時適切に情報を提供し、協力をえる姿勢を取り続けることが、信頼関係を強くします。

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