組織運営
yahagi
中小企業の経営管理の中核を担う組織運営とは何か?

経営者一人では、限られた仕事しかできません。
そのため、企業には組織運用という機能が必要となります。
先ず、組織を作り、そこに人材を配置します。
次に、配置した人材を活用するための運用する仕組みを作ります。
これから組織運営について説明します。
【目次】
1 中小企業の組織について
1-1. 組織とは何か
1-2. 組織の構成要素
1-3. 組織化
2 中小企業の運営について
2-1. 運営とは
2-2. PDCA
3 中小企業の組織運営について
3-1. 組織運営とは
3-2. 組織運営の要素とは
3-3. 管理者(組織の長またはリーダー)の要素
4 まとめ
【本文】
1 中小企業の組織について
1-1. 組織とは何か
組織とは、企業の経営目的・目標を実現するために、分業と分担を秩序あるように配列したものです。
秩序あるとは、一定の方向と双方向の流れがあります。
上から下へ、下から上へ、左から右へ、右から左へと、情報、指令とかの流れです。
組織は、いつでも動ける状態にしておくことです。
1-2. 組織の構成要素
組織には、組織を構成する要素があります。
組織ごとに①目的、②職務、③生産物、④権限と責任、⑤指令系統の5つの要素を兼ね備えています。
①目的とは、経営目的を達成するために、すべての組織ごとに目的を持っています。
②職務とは、組織ごとに職務(分業)があり、必要により職務を細分化できます。
③生産物とは、すべての組織ごとに価値(付加価値)のある生産物を持っています。
④権限と責任とは、組織の長(管理職)やリーダーには与えられたものです。
⑤指令系統は、権限を利用して部下に業務を指示することです。
1-3. 組織化
組織化の目的は、企業の使命とか目標を達成するために、全体として、一つのまとまった組織を形成することです。
その一つにまとまった組織は秩序ある構造となります。ピラミッド型とフラット型の組み合わせもあります。
製造会社であれば、組織を管理部門、生産部門、営業部門などに機能を分掌させます。必要により各部門は細分化することが出来ます。
企業の使命とか目標の変化に応じて、組織を変更することが出来ます。また、活性化が乏しくなったら、組織を編成し直すこともあります。
さらに、緊急時などにおいては、対応できるように臨時的な組織(プロジェクト組織)をつくることがあります。
組織は、必要に応じて変えて、活力を維持することを図ります。
組織化の例を製造業で示します。
大きく分けて、管理部門、製造部門、営業部門の3つがあります。
製造部門は、製品・サービスを作る担当部門です。
営業部門は、製品・サービスを顧客に提供する部門です。
管理部門は、製造部門と営業部門を支援する部門です。
これを前項の①目的、②職務、③生産物を当てはめてみますと、次表になります。
なお、この表には、④権限と責任、⑤指令系統の2つは組織の長またはリーダーに与えられものです。組織図には表れされていませんが、組織の上下関係でわかります。
この組織化したものを図で表すと、組織図となります。
図示化すると、その企業の組織運営の概要を一目でわかるようになります。
組織図は、全体及び各部門の機能、職務、活動の順序、権限を図示しています。
組織図は企業の仕事の流れがわかります。仕事が流れにくければ、改善のヒントが潜んでいます。
また、商業であれば、上表の製造部門を購買部門(仕入部門・調達部門)に変更すれば組織化ができます。
2 中小企業の運営について
2-1. 運営とは
運営とは何かです。
運営とは、組織を使って、企業の目的達成する能力(目的達成能力)を高めることです。
運営は、各組織の長(管理職)またはリーダーが、部下を使って担当する業務を管理(マネジメント)することなのです。
2-2. PDCA
人間が1人でできる業務には限界があります。そこで業務を効率よく進めるには、部下の役割を決め、分担し、協力し合って仕事を進めていくことが大切となります。
どのように管理するかです。それはPDCA(Plan-Do-Check-Action)の管理サイクルを回すことです。
Pは業務の計画を立てる
Dは計画に従って実行する
Cは計画の進捗度合いを把握(検証)する
Aは計画との差を埋めるための対処(改善)する
仕事の受注により業務内容が異なるなどの状況の変化がありますので、その都度、必要により業務の分担、指示を繰り返します。これは上記のPに含まれるものです。
この運営は、業務を担当するすべての人にも当てはまります。これが担当する業務の自己管理ということになります。
3 中小企業の組織運営について
3-1. 組織運営とは
組織運営とは何かです。
組織運営とは、基本3原則である倫理規定・法令遵守・企業統治を常に念頭において、担当する業務を達成するため、人材を活かしながらPDCAの管理サイクルを回し、価値あるもの創造し続けることです。
担当する業務などの変化に応じて、必要により複数の管理サイクルを同時に回すこともあります。
3-2. 組織運営の要素とは
組織運営は、PDCAの管理サイクルを回すことですが、この推進に当たりいくつかの要素があります。
それは、①意思決定、②意思疎通(コミュニケーション)、③協業、④問題解決の4つの要素です。
この要素は、組織の機関(取締役会など)、各組織の長またはリーダー、組織で業務するすべての人が持っているものです
①意思決定は、その組織の下位の組織または人々に影響を与えます。
②意思疎通は、コミュニケーション、報告・連絡・相談のことです
意思疎通を図るには、必要な情報を必要な人にタイミングよく伝え、相手に理解してもらうことです。
同時に、自組織以外に関係する他組織との間で、必要な情報の共有化をします。
一方的にコミュニケーションを取ろうとしても取れません。相手が受け入れる態勢をもっていることが大切となります。その手段としては、口頭以外に書面、メール、職場の掲示板などがあります。
③協業とは、自組織だけではできなことを他組織の協力・連携を得ることです。他組織からの要請に応じて協力・連携をすることです。自組織と他組織とでは、協業する日程のずれや度合いの濃淡がちがいます。これは重要度・優先度を勘案し、双方で調整を要します。
④問題解決は、発生した問題を解決することです。
問題は、いつ、どこで起こるか分かりません。
問題は、素材の納入遅れ、設備のトラブルなど、さまざまな問題があります。
問題が発生したら、タイムリーなコミュニケーションで上司や関係者に連絡し、善後策を講じます。
この問題を解決するにもPDCAの管理サイクルを回すことです。
3-3. 管理者(組織の長またはリーダー)の要素
組織の長としての管理者は、いくつかの要素が要求されます。
①リーダーシップ、②マネジメント能力、③権限の委譲、④人材育成です。
①リーダーシップは、管理者が部下等の「人」に対して向けられる能力であります。
担当する組織内で、企業のビジョンを伝えたり、モチベーションを高めていくことです。
②マネジメント能力とは、管理者がヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を使って担当する組織の成果実現していく総合的な管理スキルです。
③権限の委譲は、管理者が下位の人に自分の担当する業務を委譲することですが、その責任は管理者が負います。
④常に、人材育成をしている企業は、組織が活性化し、発展しています。
管理者は、業務を通じて、下位の人の業務能力・技能を高める人材育成をすることです。
人材の育成の仕方をとして、経営者による育成、OJT・OFF-JT、業務の変更、自己啓発などで行います。
人は、能力が向上しますと、仕事が楽にできるようになり、更に能力向上しようと意欲が湧いてきます。
4 まとめ
企業は、小さな組織の集合体です。各組織に人が配置しています。
組織運営は多岐にわたり、業務を分担しますので、経営者の経営理念や経営目的を浸透させるこが組織の活力につながります。
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